剣客商売 六 新妻 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2002年11月18日発売)
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感想 : 55
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▼収録されているのは以下です。


鷲鼻の武士

品川お匙屋敷

川越中納言

新妻

金貸し幸右衛門

いのちの畳針

道場破り


この中で「品川お匙屋敷」が、以下の内容。密貿易をめぐる犯罪事件に佐々木三冬が巻き込まれる。悪人に捕まってしまう。それを大治郎が助ける。三冬の父である田沼の言い出しで、ふたりは結婚することになる。祝言を上げる。


▼なかなか急展開ではありますが、その脱力さも池波節かな、と。


▼印象深いのは「川越中納言」。川越中納言の名で呼ばれる悪党を、小兵衛が成敗する。というそれだけの話なんですが、かつて被害にあった娘が、無事に幸せに市井で暮らしている。最後に小兵衛に赤ちゃんを見せに来る。小兵衛は赤ちゃんを見て、自分の子が、大治郎が、赤ちゃんの頃を思い出す。それだけの一幕が、素晴らしい。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年10月15日
読了日 : 2023年10月5日
本棚登録日 : 2023年10月5日

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