世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書 434)

著者 :
  • 光文社 (2009年12月16日発売)
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感想 : 62
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小泉政権での隆盛(?)から麻生政権での没落に至るまでの自民党の流れと世論との関係を分析している。

正直、あまり日常的に政治に関わっていないので、興味深いテーマであるとは言えなかったが、タイトルからメディア社会の脆弱性についても書いてあるのでは?と思い読み始めた。

読んでみたら、読みは的中。
ソースとしては自民党の政治であるが、その根底にあるのは、曲解された世論と、どうしてそのような事柄が起こるのかというのは、データ分析によって詳細に解説している。

総じて興奮するようなストーリーではないが、著者自身の感情を抑えて、冷静に記述しているのがすばらしい。


著者の言葉を借りれば、
「たまたまテレビに捉えられた(テレビ局側が放映したい)人物の挙動・発言が日本を代表している」
という勘違いは、自分でも無意識に感じてしまっているほど、日常性が高い。

自戒を込めて、このような世論の曲解に挑んでいける冷静で強い情報リテラシーが広がってほしいものだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年7月23日
読了日 : 2011年7月19日
本棚登録日 : 2011年7月11日

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