岩波科学ライブラリー ハトはなぜ首を振って歩くのか (岩波科学ライブラリー 237)

著者 :
  • 岩波書店 (2015年4月18日発売)
3.96
  • (24)
  • (35)
  • (19)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 321
感想 : 45
5

これはなー,いいぞ,実にいい。鳩みてたらまず間違いなく一度は謎に思ったことがあるだろう,そう何故首を前後に振って歩くかだ。前後に振って歩いていったい歩きにくくはないか? というあれだ,それに応えてくれるとても読みやすい良著なんだ。
まずは何故歩く(動く)のかという導入からどう歩く(動く)か。次に歩くと走るの違いとその行動のワケ,その効率性の違い。間子のハトは気になるので今度観察に行ってこよう。
そしてついに何故首を振るかへ,過去から付き合いの長かったであろう人の近くにいる鳩,やはり昔から鳩が何故首を振って歩くのかに関心を寄せた人々はいたようで,最初の研究は1930年まで遡るそう。
箱の箱入れ実験は面白い試み。結果,風景が動けば首が動くということがわかった。だがそれだけでは説明がつかない,目のついている部分と眼球の動き,およびその視野の範囲。歩行との直接関連性があるのではないか。首を振る鳥は振ることにより歩行性の安定性を確保する,大股で歩き体の回転を少なくしている。首を振らない鳥は小股でちょこちょこ歩き両足がついている時間を多くとることで安定性を確保している。
カモは振らない。たまに振らないサギ,たまに振るサギ。コアホウドリのV字振り。泳ぐとき振るカイツブリ。チドリの尾振り,アオシギの体振り。後,スズメなどのホッピングについてもちゃんと解説されていました。
なにはともあれ一読をお勧めする,読んだすぐから鳥観察が楽しくなること請け合いです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画以外
感想投稿日 : 2016年8月7日
読了日 : 2016年8月7日
本棚登録日 : 2016年8月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする