この小説の前に読んだのが「ありふれた魔法」で、また彼の作品で一番好きなのが「夜の果てまで」だったから、勝手に「不倫三部作」と名づけたくなっちゃいます。だから「また不倫の話か」、と思っちゃうところもなくもないのですが、描写がとにかくリアルなので、本の中の登場人物が、作者が創造した世界の住人で、現実には存在しないんだということがちょっと不思議な気がしてしまいます。とはいえ、ヒロインの女性はあまりに男性にとっての理想像でありすぎて、ちょっときれいすぎるお話にも見えてしまいました。そういう意味では、「夜の果てまで」や「ありふれた魔法」ほど、ぎりぎりのところまで追い詰められていない感じは残ります。それでもエンディングの子どもの風景は、力強く、心をうつものがありました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2010年1月26日
- 読了日 : 2010年1月26日
- 本棚登録日 : 2010年1月26日
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