1分で大切なことを伝える技術 (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所 (2009年1月15日発売)
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著者が冒頭でこう述べている。

(引用)
情報が次々に現れては消える状況で、私たちは「切り捨てる」ことを日々習慣化している。(中略)
「バカか、利口か」「使えるか、使えないか」「魅力的か、そうでないか」、
「誠実か、いい加減か」即座にふるいにかける。

その所要時間が1分と。

しかし、今の時代は、恐らく数秒になっているんじゃないだろうか。

大手企業の人事部で採用活動を行ってる友人は、
「5秒ぐらいで、面接者の判断する」と言っていた。

そして、だいたい、その5秒で、採用するか、しないか決まることが多いと。
「面接を受けにくる人が話す内容は、そこまでは、採用の合否と関係しない。

「見た目(容姿、服装、歩き方、姿勢)そして、履歴書の情報で、
ほぼ、自社にふさわしい人がわかる」と。
ただ、逆接的に、そういう「ふさわしい人」は、
話す内容も、簡潔かつ印象的でわかりやすいという。

要は、日ごろから、他者に「伝える力」を磨いている人は、
見た目にも、はっきりと現れるということだ。

自社の商品を、売り込みたい顧客に行うプレゼンも、
誰が行うが重要になる。
冒頭の30秒が勝負だと言われる。

その時間で、いかに、御社にとって価値があるかを、
五感でわかってもらうように工夫して行う。

発信側も受信側も、ますます、せっかちになっている。

日々、自分達は、大量の情報を受け取っている。
ニュース、メール、ネット、SNS、ブログ、雑誌、YOUTUBEに、
まとめ系の情報媒体まで、10年前と比較できないぐらいの情報量を受け取っている。

そういういった状況の中で情報の「取捨選択」は、よりシビアになっている。
「じっくり」読む、聞く、話す暇がなくなっている。

また自分達は、情報の受信側であると同時に、発信側でもある。
いかに、他者に向かって、有益な情報を発信できるか?
これが、現代で、求められている教養になっている。
これが、出来ないと、現代の競争社会から置いていかれる。

著者は、この発信者として、
情報を「簡潔」かつ「印象的」に話すことは、
練習するか、しないかにかかっているという。
つまり、後天的に獲得できるということだ。

その練習方法のヒントをまとめた本がこの著作になる。
出来たら、高校生ぐらいから、
こういった「簡潔かつ印象的に伝える訓練」を、
行なった方がいいかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年12月23日
読了日 : 2017年12月23日
本棚登録日 : 2017年12月23日

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