インターネットのカタチ―もろさが織り成す粘り強い世界―

  • オーム社 (2011年6月25日発売)
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本棚登録 : 418
感想 : 48

最初はとっつきにくい本かと思って読み始めたら、すごく興味深い内容で面白い。

「インターネットは、もろいようだが粘り強い。」
 つまり、しょちゅう切断してる o(*'o'*)o
それが許される仕組みになっていることや その対応策などが、
これまでに起きたインターネットのトラブル事例をまぜながら解説されていて、わかりやすい本です。

「ネットワークのネットワーク」、その仕組みが実際にはどうなっているのか。
知らないことだらけで目からウロコ!
 
インターネットの世界には国境はない! と思っていたが そうではないらしい!
厳しく規制されている国があること、政治や経済が絡んでの将来の展望が語られています。

この本は、ほとんどインターネットから収集した情報を元に、多岐にわたるスキルを駆使して書かれています。
 付録では、その情報収集の方法が、詳細に述べられていますので、そういうことをやりたい人にはすごく参考になるのでは!

2011/10/02 予約 10/28 借りる。 11/25 読み終わる

内容と著者は

内容 :
「インターネットが壊れる」という話を皮切りに、インターネットの概要を解説。
さらに、マクロな視点で見たインターネットの基本的な構造や歴史、仕様のデバッグなど
様々なテーマから、インターネットのカタチを探る。

著者 : 
あきみち → URLはこちら http://www.geekpage.jp/ 『Geekなページ』 : 
・ 慶應義塾大学政策メディア研究科にて博士を取得。
  ソニー株式会社を経て、ブロガーとして活動。

空閑 洋平(クガ,ヨウヘイ)
・ 1985年生まれ。慶應義塾大学政策メディア研究科後期博士課程在籍。

目次 : 
はじめに
* 本書が目指したもの
o 「壊れた」から垣間見えるインターネットの形
o 観察方法の紹介
o 教科書臭さからの脱却

1章: 壊れやすくて粘り強い
* インターネットが壊れた!
* あんな「壊れた」、こんな「壊れた」
* 「生き物」のようなインターネット
* インターネットの強さの秘密
* インターネットの「形」を推測する

2章: ネットワークのネットワーク
* チェコ発インターネットバラバラ事件
* インターネットはネットワークのネットワーク
* 全体像は誰も知らない、だから全体を止められない
* 実際に通信ってどうやって行われてるの?
* 「伝言ゲーム」でつながるネットワーク
* ASとBGP
* パキスタンYouTube事件の解説


3章: 仕様のデバッグ
* 同じ問題を二度と起こさないように
* RFCとIETF
* IETFとその思想
* 「インターネットはオープンである」
* オープンであることの弊害
* IETFと特許


4章:「名前」を巡る変化
* スウェーデンが消えた!ドイツが消えた!
* DNSの仕組み
* DNSは格好の攻撃対象
* DNSルートサーバ
* DNSへの「毒入れ」
* カミンスキー型攻撃とDNSSEC
* DNSSECでできることと、できないこと
* トップレベルドメインの増減
* Alternate DNS Root


5章: 物理的に切れた!
* 物理的に「プチッ」と切れるということ
* 光海底ケーブルが切れた!
* 何で「集中」するの?
* 光海底ケーブル地図が示すもの
* 海底ケーブルは何故切れる?
* 光海底ケーブルの仕組み


6章: インターネットと国境
* Webにおける「インターネットの国境」
* エジプトがインターネットから一時離脱!
* ネット検閲
* Great Firewall of China
* 日本にもあるネットへの制限


7章: インターネットの大渋滞
* 「興味の集中」による大渋滞
* 大規模トラフィックに対処する方法
* 世界最強のCDN企業:Akamai
* 大量のトラフィックをみんなで送りつける攻撃(DDoSアタック)
* DDoS防御


8章: 論理的な通信の密集地帯
* ネットワークの論理的な集中に関する概念的な話
* ポリシーの話
* 巨大な存在に何かあったら?
* ビデオトラフィックの増加


おわりに
付録: インターネットのカタチをとらえる

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: IT:ALL(情報技術)
感想投稿日 : 2019年1月12日
読了日 : 2011年11月25日
本棚登録日 : 2019年1月12日

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