著者の小説処女作。
客観性を極限まで削り落とした一人称小説。
です/ます調で描かれる偏執的思考は読んでいくと不安と恍惚感を引き起こす。
エロティシズムの観点から論じられる処女性や美少年に特有な孤高の精神が感じられる。
本書の解説を読んでみると、これは嶽本氏が好んで用いる「乙女」という概念と同じものだと思われる。
また、この文庫に寄せられた榎本正木氏による解説は文芸評論家の本領発揮と言えるような説得力と易しさを兼ね揃えた文となっており、一読の価値あり。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年2月9日
- 読了日 : 2013年2月9日
- 本棚登録日 : 2013年1月3日
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