これは小説なのかノンフィクションなのか。開高健氏が「ベトナム戦記」で体験した世界を、ベトナム帰還兵のPSTDの如くフラッシュバックしながら数年に渡って反芻し血肉となり自身を削って書き上げた本である。一文一文に研ぎ澄まされた感覚が乗って全体に漂う緊張感は当時の開高健氏の精神状態を具現したものであろう。読む側もヒリヒリする。
「ベトナム戦記」「オッパ!」「パニック・裸の王様」と読んだが、本作品が最も凄みを感じる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2018年12月3日
- 読了日 : 2018年12月3日
- 本棚登録日 : 2018年11月24日
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