工業製品が花盛りだったインターネット以前、市場投入が許されるのは完成品だけで不備や欠陥は瑕疵と直結する時代だった。それがインターネット以後はソフトウェア的な発想が根付き「バグはあるもの」でありアップデートで改修や機能追加や当たり前となった。その考え方がビジネスへも拡がり、完成度よりむしろスピードが重視される時代となった。
本書で紹介される「スプリント」はグーグルの手法であり、ITスタートアップで一般的なワークスタイルである。「ハッカソン」とも呼ばれる。初日に課題設定、2日目に解決策検討、3日目で意思決定、4日目にプロトタイプ開発、5日目にユーザーテストし、超高速で有用性を量る。(議論と調整に時間を浪費するどこかの国の政治家たちにも聞かせたいが)某世界的経営者が「数分考えて意思決定できない案件は何日かけても無駄だ」と話していたのだが、まさに体現した仕事術といえよう。
内容はいちいち過大広告気味な感は否めないが、書かれていることはシンプルで実行しやすくルールや手順も相当詳述されている。「キーノートでプロトタイプを作る」や「インタビューは5人で精度85%」などはスプリント流の最たる提案といえよう。まずは実践して体感するのが良いだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ビジネス/政治経済
- 感想投稿日 : 2017年8月4日
- 読了日 : 2017年8月4日
- 本棚登録日 : 2017年7月28日
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