アニマルアイズ動物の目で環境を見る 2

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  • 偕成社 (2002年2月1日発売)
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感想 : 19
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生きているものは死ぬ。私たちも時々、道路で動物の死骸を見つけ、つい目を背けてしまう。
けれどこの本では、死んだ動物がどうなるのかを、時間をおって見せる。


キツネの死骸にハエが飛んできて卵を産み付ける。スズメバチが、肉を喰らう。2週間後、キツネのお腹のあたりが膨らみ、その3日後、ウジが毛皮を食い破って溢れ出す。それをハクビシンが食べる。キツネの体はボロボロになり、骨が見えるようになる。半年後、雪どけころになると、キツネの体は土に還ろうとしていた。・・・

昆虫の死骸にはアリがやってきて、土の中に引き込む。
砂浜に打ち上げられた魚を、オカヤドカリが群がって食べる。
大きな生き物を、小さな生き物が食べる。

タブーのように死を避けてきたような子どもの本の世界に、死がやってきた。人間も死んだ生き物を食べる。

死んで食べられることによってほかの生き物の命に関わっていく。
一生懸命死を食べて、一生懸命生きたい。(作者・談)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年9月4日
読了日 : 2016年9月4日
本棚登録日 : 2016年9月4日

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