祖国とは国語 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2005年12月22日発売)
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彼の国語教育重視論を読んでみたくて、買った。

拾いものというとバチが当たるが、「満州再訪記」は稀に見る傑作だった。歴史的事実を延々と述べたところは冗長というか余計という気がしないでもないが、藤原家(父は新田次郎、母は藤原てい)の過去といま、満州の過去といまがくっきりと、かつ味わい深く描かれている。おすすめだ。

さて、本題の国語教育重視論。数学者が国語教育の大切さを説くのは一見逆説的だが、それには彼の研究者人生、留学経験を通じての強い確信が背景にある。ほぼ全ての文が断言調で、論旨に賛成できない人には嫌悪感を催させるかもしれない。けれど教育論、特にゆとり教育反対論としてはかなり骨太なものと思う。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 社会・経済
感想投稿日 : 2008年11月29日
本棚登録日 : 2008年11月29日

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