父と暮せば (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2001年1月30日発売)
4.03
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本棚登録 : 920
感想 : 122

読書家の方のブログに触発されて読みました。

愛する人々を原爆で失い、天涯孤独となった主人公美津江は
「幸せになってはいけない」と
生き残った自分を責めてしまう。

ある日、死んだはずの父親が「恋の応援団長」として
現れる…

やり切れない悲しさのあるテーマですが、
広島の方言が優しく、またちりばめられたユーモアのおかげで
重々しくならず、一方でなお一層じんわりと胸に迫るものとなっている。

時折、残酷すぎる情景描写に苦しくなりましたが、
実際はもっともっと本当に惨かったはずです。

過酷な中、なお生き残った人の
悲しさや苦しさ、

亡くなった人の事を思うと自分が許されないと
思ってしまい、
その相手の人からは「もう良いんだよ」と言う声は
聞くことが出来ないというのは辛い。

ずっとこの父親(おとったん)を
読みながら井川比佐志さんみたいな人をイメージしていたので
映画では原田芳雄さんだったと知ってちょっと意外!

美津江も宮沢りえちゃんはちょっと綺麗過ぎだなあ。
可愛くていいんだけどもうちょっと素朴と言う感じ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 戯曲
感想投稿日 : 2014年2月16日
読了日 : 2014年2月16日
本棚登録日 : 2014年2月16日

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コメント 3件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2014/02/17

「じんわりと胸に迫るものとなっている。」
うんうん(頷くばかりです)

日曜日さんのコメント
2014/02/17

nyancomaruさん、
ユーモアって大事ですね。
乗り越えることと寄り添うことについて考えております。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2014/02/17

「ユーモアって大事ですね。」
東日本大震災で生き残っても、失ったモノ(人)に、捕らわれてしまっている人に、、、こんな風に書くのはオコガマシイですが。。。

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