ヒトラーに抵抗した人々 - 反ナチ市民の勇気とは何か (中公新書 2349)

著者 :
  • 中央公論新社 (2015年11月21日発売)
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感想 : 34
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最初から最後まで読み応えのある内容だった。
反ナチ市民を中心にした時系列の章立てのおかげで、市民側が望んでヒトラーを求めたこと、なぜ望んだのかという背景的な社会問題も明瞭に説明されている。
ヒトラー内閣成立後、より激しくなる暴力、略奪経済、消耗戦。
密告が常態化しているなか、個人レベルの消極的な反ナチ活動はあり、慎重に活動の輪を広げてネットワークを成してユダヤ人をかくまい逃がそうとしたり、理想の未来「もうひとつのドイツ」に着目して燃える市民がいたりする。
第五章での、レーマー裁判の裁判長バウワーの論告には、言葉の持つ「智」の力を感じた。
最後にまとめられていた年表は、関連情報がまとめられていてわかりやすかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ナチス関連
感想投稿日 : 2021年1月25日
読了日 : 2021年1月25日
本棚登録日 : 2020年5月31日

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