やさしい訴え (文春文庫 お 17-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2004年10月8日発売)
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本棚登録 : 1457
感想 : 152
5

空気感が素晴らしいです。
はっきりと書かれていないけれど、みんな、ほんとうに全員が置かれている状況を理解しています。
わかったうえで、どうすべきか、行動しています。
でも、人も動物です。
したい、触れたい、という気持ちは抑えられない。
それが限りあるものであり、失う危険もあるものだから、だからなおのこと感情が高まっていきます。

札幌行きをやめさせるための咄嗟の行動(言動)には少なからず驚きました。
でも、それは、行けばそうなる、ということがわかるから。もしも自分ならそうするだろう、そうなるだろう、ということの裏返しですね。

結論としては敢えて言わない大人の対応で新しい道を踏み出すのですが、少し寂しいです。まあ、そうなるよな、という違和感のないストーリー展開。

+++

とてもこだわりを持って作品を作られているのに、鍵盤の色が近代タイプ。別の意味があるのかしらん。。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年5月27日
読了日 : 2021年5月27日
本棚登録日 : 2021年5月24日

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