いつも思うけれど、角田さんの描写は素晴らしい。
夫婦の何気ない会話の中に潜む違和感。
なぜそう感じたか。その言葉に込められた思いが、気のせいではなくある気持ちを表すものであったことに気づく。
誰しも「あれ、どうしてこの人こんなこと言うんだろう?」と思うことはあるはず。
それは大概きのせいではない。もしも自分だったら、こんなことを言うだろうか、と立ち止まって考えてみたい。
夫婦の会話の中ですれ違いが生まれ、それが積み重なり、取り返しのつかないことになってしまう。角田さんの手にかかれば極めて自然に、ストーリーが組み上がる。
自然だ。
でも、最初のそのすれ違い、その会話がなければ、こうはならなかった。
何とも深いおはなし。
映画になるのもわかりました。
+++
今から10年くらい前でしょうか。
同じフロアという身近なところから7,000万円の横領事件が発覚しました。別の会社の人でしたが、顔は見たことがありました。
本人の心境はどうだったのだろう、と本書を読みながら改めて思いながらよみました。いちど手を染めてしまうと、もう後戻りできない、バレることはわかっていなから、突き進むことしかできない。早く見つけて欲しい、そう思っていたのではないでしょうか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年7月30日
- 読了日 : 2023年7月30日
- 本棚登録日 : 2023年7月27日
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コメント 7件
bmakiさんのコメント
2023/07/30
辛4さんのコメント
2023/08/08
辛4さんのコメント
2023/08/08
bmakiさんのコメント
2023/08/08
辛4さんのコメント
2023/08/09
sun314moonさんのコメント
2023/09/06
辛4さんのコメント
2023/09/07