進化する企業のしくみ (PHPビジネス新書 40)

  • PHP研究所 (2007年9月19日発売)
2.81
  • (1)
  • (3)
  • (13)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 67
感想 : 10
3

サービス指向アーキテクチャ(Service Oriented Architecture/SOA)と人間主導系の世界、の話が面白い。かなり凝縮されており、記述は短い。

SOAは、あらかじめいくつものサービス単位に全体を切り分けて、サービスコンポーネントの集合体として設計する方法論。SOA思想で作られたシステムであれば、一部は他社のシステムの一部分を利用するのも可能となる。サービス同士を疎にする設計を意識する上で必要不可欠な考え方なので、考えが整理できて良かった。

人間主導系の世界というのはそのまま聞くとなんのことやらだが、特に大企業において、IT活用ではなく、ITの封じ込めに走っている現状からの脱却のことである。企業の情報防衛とネットワークを通じて社内外の人とコラボするという理想が新しいITにより実現すると説く。企業経営者が技術の潮目を理解し、原則禁止から原則OKへと切り替えるタイミングを見極める必要がある。2007年の本で、現状ではまだまだ原則OKの潮流は来ていないが、方向性としてはIT業界に生きるものとしてありがたいもの。人間行動の優位性の違いにより差が開く時代が来るか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: IT・システム・ソフトウェア工学
感想投稿日 : 2015年7月26日
読了日 : 2015年7月25日
本棚登録日 : 2015年7月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする