若き日の友情: 辻邦生・北杜夫往復書簡

著者 :
  • 新潮社 (2010年7月1日発売)
4.10
  • (4)
  • (3)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 81
感想 : 10
4

2人の作家が20歳、22歳のときから始まった往復書簡の数々。あまりにも頻繁なやりとりに驚きです。1948年から61年までの160通を超える往復に親密さを感じ、驚きです。そして途中からは辻の奥さん、佐保子が加わったりして。文学論が出てきたり。私の好きな北の作品が「幽霊」ですが、辻夫妻がこの本を大変高く評価していて、度々言及されるのは嬉しい限りでした。辻によれば「幽霊」は「抒情的気分と一種の形而上学的な瞑想的な調子のところは流石にマンの息子らしく気品があり、何度も読み返しました。」【54年5月7日】とのこと。小説でも「詩」性があるものが、本当の文学との主張には全くその通りだと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2013年8月18日
読了日 : 2010年10月28日
本棚登録日 : 2013年8月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする