2人の作家が20歳、22歳のときから始まった往復書簡の数々。あまりにも頻繁なやりとりに驚きです。1948年から61年までの160通を超える往復に親密さを感じ、驚きです。そして途中からは辻の奥さん、佐保子が加わったりして。文学論が出てきたり。私の好きな北の作品が「幽霊」ですが、辻夫妻がこの本を大変高く評価していて、度々言及されるのは嬉しい限りでした。辻によれば「幽霊」は「抒情的気分と一種の形而上学的な瞑想的な調子のところは流石にマンの息子らしく気品があり、何度も読み返しました。」【54年5月7日】とのこと。小説でも「詩」性があるものが、本当の文学との主張には全くその通りだと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2013年8月18日
- 読了日 : 2010年10月28日
- 本棚登録日 : 2013年8月18日
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