1966年生まれのエッセイストが966年頃に生まれた大先輩エッセイスト清少納言と“対談”したりして、1000年の時を経て、人間の本性が変わらないことを主張しています。確かに「春はあけぼの・・・」という身近な季節感のある自然の美しさを語った内容だけでなく、一人の醒めた眼を持ったバツイチ・ハイミスのキャリア・ウーマンが書いた枕草子という観点でこの作品を見直すと現代に通じることが極めて多いことに、楽しさを感じます。清少納言とはきっと著者の想像するようなタイプの女性だったのだろうということも読みながら楽しく思い描くことが出来ました。下種、ブス、覗き、おしゃれ、女性のキャリア形成など・・・。枕草子の世界を現代に読み替えて解釈する小文は実に楽しいですね。そして女が強く。男がだらしない時代だということでも共通点があるという著者の指摘には全くその通りと反論できそうにないですね。それだけ、平和ぼけで男の強さが必要ない時代なのでしょう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本の古典
- 感想投稿日 : 2013年8月24日
- 読了日 : 2004年10月18日
- 本棚登録日 : 2013年8月24日
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