旧約学者だった関根潤三の子息。現在東大文教授、倫理学・旧約聖書専攻の学者が書いた本です。善悪に報いる神は何処におられるのか?なぜ悪が栄えるのか?言うまでもなく、これが旧約ヨブ記、以来の神に関する謎であり、ファウスト、カラマーゾフへと続く問い掛けでもありました。また今、なぜキリスト教は信じ得るのか?なぜ信じられなくなったのか?無神論者はでは何を信じているのか?など講演で分かり易く語ったものの文章化したものです。分かり易いとは言いづらい内容ですが、知的な刺激にはなりました。しかし後半の、なぜ殺してはいけないのか?なぜ姦淫してはならないのか?なぜ援助交際がいけないのか?などを聖書的倫理学者の立場から語っている文章は実際的な話であるだけに、分かりづらいということは今ひとつ説得力に欠けるのではないかと思いました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
キリスト教
- 感想投稿日 : 2013年8月21日
- 読了日 : 2005年4月25日
- 本棚登録日 : 2013年8月21日
みんなの感想をみる