プレミアリーグは、なぜ特別なのか(祥伝社新書293)

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  • 祥伝社 (2012年10月1日発売)
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香川真司がマンUに入団し、活躍していることがいかに凄いことなのか!プレミアリーグの中でも特別なチームであることが説得力ある筆で楽しく、血沸き肉躍るトーンで書かれる。1958年のミュンヘン空港での8名のスターを失った悲劇が、逆に一都市のマンUから世界のマンUになるきっかけだったことが主張されている。イングランドサッカーの魅力が1対1の果し合いの迫力にあるという意味もよく分かる。母国では本来サッカーとはそういうものだったのだ。悲劇の生き残りボビー・チャールトン、5人目のビートルズとさえ言われたジョージ・ベストら、きら星のようなスターを輩出しているマンU。むさい男ガスコインが常軌を逸した行動により大衆の人気者になり、後日のベッカム狂騒曲に繋がっていくという話も楽しい。リバプール黄金時代のシャンクリー監督の言葉が楽しく、芯をついている。「君、儂がスタジアムにいかなきゃいかんということは、あの子らがまだまだだってことなんだよ。そうじゃないかね?」しかし、ファンとの近距離だった選手たちが今や「アフリカの独裁者も赤面させるほど稼ぎまくるプレーボーイ。高級スポーツカー、セルフブランドのオーデコロン、マリーアントワネット気取りの金遣いの荒いガールフレンドに囲まれた成り上がりの上流階級」という選手たち。リーグが金を稼ぐ企業になっている!憂慮すべき状態だと思う。この勢いはどこまで続くのだろうか・・・

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スポーツ(サッカー)
感想投稿日 : 2013年8月15日
読了日 : 2013年4月6日
本棚登録日 : 2013年8月15日

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