鄧小平に寄せる毛沢東の信頼が厚く75年の復活は毛の意向、しかも周恩来への牽制の意味があったとは驚き。毛が中国経済を破綻させた男として自らの歴史を汚すことを恐れ、鄧に期待をかけたということは確かに間違いないだろう。そして75~77年の不思議の連続のように思われたエレベーター人事の意味が解き明かされていく。全てが毛の猜疑心から起こり、そこからの脱却を図る鄧や他の幹部たちの慎重な言葉の選び方に興味を感じる。75年の失脚前の毅然とした姿が、76年の毛死去後に尊敬を集めたということも分かる。そして77年の復活後、主席・首相というポストに就かない中で、事実上No1として華国鋒をしのぎ、権力を確立していく過程を見る中でこの人の並外れた実力、そして毛亡き後の中国の舵取りの難しさを感じる。鄧という英雄の凄さを痛感する。長大な大河ドラマを見る思いがする。それにしてもここまでの真実が良く調べられたもの!
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カテゴリ:
自伝・伝記
- 感想投稿日 : 2013年11月18日
- 読了日 : 2013年11月18日
- 本棚登録日 : 2013年11月12日
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