赤毛のアン 赤毛のアン・シリーズ 1 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2008年2月26日発売)
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感想 : 498
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還暦過ぎて初読。「読書会すみれ」さんでの課題本となったので読んでみました。もっと早く読めば良かったというのと、人生が終わる前に読めて良かったというのが印象。機会をくれた主催者さんに感謝します。

舞台はカナダのプリンス・エドワード島のアボンリー村。そこに住むカスパート老兄妹に引き取られた孤児アン。アンが引き起こす小さな事件と人々との交流を描く本書は、コメディ、人情噺、若いロマンス、少女の5年間の成長を描く教養小説と多くの要素を含む傑作です。
主人公アンも魅力的ですが、アンを巡る人々も魅力的。特に養母となるマリラとアンとのやりとりは時にスリリングであり、時に涙を誘います。

アンの呟くひとことも印象的です。例えば、
「マリラ、明日がまだ何ひとつ失敗をしない新しい日だと思うとうれしくない?」
「なにかを待つってその楽しさの半分にあたるわ」
「一生懸命にやって勝つことのつぎにいいことは、一生懸命にやって落ちることなのよ」

“Anne Of Green Gables(緑の切妻屋根)”の原題を「赤毛のアン」という邦題にした村岡花子さんの邦訳も素晴らしく、全ての人に読んで欲しい名作。読み始めるのに遅すぎるということはありません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外小説
感想投稿日 : 2023年1月22日
読了日 : 2023年1月22日
本棚登録日 : 2023年1月22日

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