大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ (アスキー新書 199)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス (2011年8月10日発売)
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 福島原発の事故以来、反原発の本が多く出版されている一方で、経済界は原発なしでは日本経済は成り立たないとばかりの発言を繰り返している。その中で、本書は比較的実現性のある「脱原発」の具体性のある提案として「天然ガス発電」を取り上げている。これが実現すれば、素晴らしいと思えた。
 しかし、問題は現実性である。本書の著者は、エネルギーアナリストという専門家であり、アメリカにおける「シェールガス革命」なども報道等である程度は知られてきてはいるが、本書で主張しているほど、脱原発を担保できるほどの規模のものなのだろうか。技術的にも政治的にも、多くの課題はあるのではないかと思えた。
 また、専門家は、いわゆる「再生可能エネルギー」では脱原発は無理との主張をすることも多いが、その詳細な内容もあまり聞いたことはないし、まだまだエネルギー問題は多くの議論が必要と思えた。
 本書は、「脱原発」が夢物語や遠い未来のものではなく、「天然ガス」資源という手の届くところに解決策があるかもしれないと思わせる希望の書であると思えた。ただ、この問題は、もっと検証の必要があると思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年5月28日
読了日 : 2012年5月28日
本棚登録日 : 2012年5月28日

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