欺瞞だらけの大人。
嘘をついているばかりの大人。
本当のことを言わない大人。
そんな大人は当てにならない。
自分の中学校の事件なのに。自分たちの問題なのに。
このまま嘘で塗り固められたまま、真実を何も知らずに卒業して、高校生に、大人になっていくのはイヤだ。
そこで藤野涼子は決意する、ならば自分たちで真実を明らかにしようと。子どもたちだけで。
生徒たちだけによる学校内裁判を開き、真実を明らかにしようと。
突然弁護側に名乗り出た少年、東都付属中の神原和彦とはいったい何物なのか?
死んだ少年、柏木卓也と小学校時代の友人だったとはいえ、何故この裁判に関わろうとするのか?
疑問は残されたまま、検事側、弁護側に分かれ、真実を追究する捜査は開始される。
そして、少年少女たちは捜査をしながら、新しい事実に辿り着き、驚愕する。
隠されていた人間の心の光と闇。
同時に彼らたちも、自らの胸に自問自答しながら、成長する。
真実を明らかにするためのひたむきな行動を通して。
ひたむきさ。一所懸命。このみんなの姿に心を打たれる。エールを送りたくなる。
さらなる事件が勃発しながらも、少年少女たちは当初の目的遂行のため、審理開廷に向かって突き進む。
その裁判によって何が分かるのか、真実とは何なのか。どんな結末が待っているのか。
疑問と謎と、成長していく少年少女たちの姿への期待を胸に抱きつつ、最終話、第三部『法廷』へ。
(第三部『法廷』のレビューに続く)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
宮部 みゆき
- 感想投稿日 : 2012年10月16日
- 読了日 : 2012年10月15日
- 本棚登録日 : 2012年10月13日
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コメント 1件
ねこにごはんさんのコメント
2012/11/28