プロのシナリオライターが実際にシナリオを作る際の工程から、どうやればシナリオが作れるのかについて述べた本。
目次
<blockquote>第1章 シナリオライターの仕事
第2章 道具が先か、アイディアが先か
第3章 キャラ設定とネーミング
第4章 世界観と舞台、企画書
第5章 シナリオライティング基本の基本
第6章 シナリオ戦術1/地書きを制する者は…
第7章 シナリオ戦術2/セリフとドキュメント
第8章 シナリオ戦術3/構成と伏線
第9章 演出、立ち絵、声録り
第10章 デバッグ、そして作品を世に問う</blockquote>
ノベルゲームのシナリオという奴は、同じ書くものでありながら、小説やSS(ショートストーリー)とは世界がやや違い、脚本と似ている。
そういったところで、表現の仕方や、テクニックの違いというものが、意外につまづくポイントなんじゃないかと、試しで作ってたときに思った。
この本では、実際にプロとして活躍してる著者が、仕事の具体的な工程ひとつひとつにたいして、どのようなテクニックを使っているのか、また作品の構成や「受ける」為のストーリー展開の戦略、更には、ゲーム側の要素、声だとか立ち絵、BGMといった、ストーリーの周辺の事情まで、余すことなく書いている。
さて、「受ける」とさっき書いたけれど、この本はどうやら商業作品として売れる作品はどう作るのかについてのハウツーが目的のようだ。決して個人が満足するようないい作品の作り方、ハウツーではない。
そこのところの違いもはっきり書いてある。
<blockquote>特にプロの世界では、何本売れたか(正確には何本出荷されたか)だけがその作品の価値を、ひいては携わった人間の業績を決める絶対の基準となります。「売れなかったけど、いい作品だから……」は、プロにおいてはカッコ悪い言い訳、負け犬の遠吠えでしかありません。</blockquote>
実に厳しい。しかし、それがプロがプロである為の品格なんだろうと思います。
それでも、その現実がわかっているからこそ、実際に作品を生み出せるんでしょう。
やや厳しい言葉でしたが、前に書いたように、ハウツー本としてはかなり詳しく書かれている本ですので、技術を知りたいとか、プロの世界を知りたいとか、そういった面で読む人には、おすすめです。
また、プロになりたいなんて人には、その厳しい言葉も含めて、教科書としておすすめです。
名言「<b>諦めの悪い人間がプロになる。</b>」
- 感想投稿日 : 2019年5月1日
- 読了日 : 2008年8月28日
- 本棚登録日 : 2019年5月1日
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