進撃の巨人(16) (講談社コミックス)

著者 :
  • 講談社 (2015年4月9日発売)
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ついに明かされる5年前の事件。エレンの父・グリシャとレイス家の間に何があったのか。あのエレンですら屈服してしまうほどの過去とは?!その一方で、エレンたちを奪還するため、調査兵団と対人制圧部隊が激突する!

自由の申し子とも言えるエレンですら、語られたグリシャの罪の大きさには膝をつくしかなかった。ここではレイス家の視点で過去が描かれるが、グリシャがなぜ巨人の力を持っていたのか。どうしてフリーダの力を奪わなければならなかったのか。いまだ謎は多い。それでも、父が巨人の力を奪ったせいでこれまでの犠牲が積み上がったという事実は、エレンを繋ぐ鎖以上に彼を縛りつけてしまう。

その姿をユミルや自分と重ね合わせ、父の欺瞞を剥ぎ取るヒストリアがカッコいい。王の側近と同じく、ロッドの本性が暴き出されるシーンの戦慄たるや。と思いきや、そこからの兵士として磨き上げた体術に、自分の意志を貫く覚悟を持ったヒストリアの姿は民衆を導く女神そのもので美しい。神でなくても、奇跡は起こせるのだ。
「いい子にもなれないし神様にもなりたくない でも…自分なんかいらないなんて言って泣いてる人がいたら…そんなことないよって伝えに行きたい」

輝く洞窟での調査兵団VS対人制圧部隊もヒリつくよね。作戦や武器の分析もさることながら、サシャの弓矢がいい味を出してる。対人戦ならではの恐怖感がガンガン伝わってくる。そして、リーダーのケニーの野望。それぞれが自分のために動いた歯車が、混沌とした局面をもたらした。その盤面がこんな形でひっくり返るとは。ザックレーのアレと同じく悪趣味極まりない絶望が姿を現す!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2023年4月4日
読了日 : 2023年4月4日
本棚登録日 : 2023年4月4日

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