美大を卒業した明子は宮崎へ帰郷。就職口がない明子は日高先生の教室で思わぬ才能を開花させる。その一方で、父にゴリ押されたコールセンターの仕事も始まる。あまりにも合わない仕事が、彼女に漫画を描くきっかけをもたらす?!
人は極限まで追い詰められた時こそ夢への第一歩を踏み出すことができる。ぼくもうつ病で動けなくなって死を意識した時、自分が好きなこと、したいことを見つけられた(それが読書と感想を書くこと)。自分にとって一番大切にしたいものは、きっと手の中に残るようになってるんだろうね。大切だと気づかなくても、ずっと握りしめて生きているから。でも、わざと自分を追い込んだり、病気になるのは絶対にお薦めできないので(1年半経ってもまだ回復できてない)、そこは気をつけてほしい。
今回は大学卒業、帰郷、教える能力覚醒、就職、投稿漫画デビューと展開盛りだくさん過ぎて楽しかった。波乱万丈だし、創作活動については迷いもあったりで苦労してる時代を描いているんだけど、抜群のユーモアセンスで毒ですらあたたかく描いているのがすごい。
「描きたいものなんてなくていいんや ただ描けばいいんや 目の前にあるものを 描きたいものなんか探しとるからダメになる 描けなくなる」
先生のこの言葉が突き刺さる。人生とか夢とか理想とか、そういうものにも言える言葉だと思う。目の前にあるものと向き合う。どうしてこんな単純なことが難しいのだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
コミックエッセイ
- 感想投稿日 : 2021年7月19日
- 読了日 : 2021年7月19日
- 本棚登録日 : 2021年7月19日
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