ついに明かされた殺せんせーの過去。死神として生きた彼は弟子に裏切られ、柳沢の手による過酷な人体実験をその身に受けることに。その中で出会った雪村あぐりとの対話。死神だった頃の殺せんせーはまるで浅野理事長のようだった。それを「人を見る」ということを通して、人間関係のあたたかさを教えていったあぐりはまさに先生だったんだなと。
「目の前の人をちゃんと見て 対等な人間として尊敬し 一部分の弱さだけで人を判断しない」
人間関係の基礎でありながら、なんとシンプルで難しいことか。正直言って、現実の社会ではこの真逆がまかり通ってるんだよね。他人と比較してはマウントを取り合い、弱さを見つければ正義を建前に人を叩く。その弱さの奥にある心の問題なんて見ようともしない。それを知っているからこそ、この基礎を忘れずに人と接していけたらいいなと感じた。
触手の「どうなりたいのか」への問いに「弱くなりたい」と答えた殺せんせーもよかったよね。触手を身につけた皆は「強くなりたい」と答えてきた中で、自分の能力で弱さを感じ取れるようにしたというのは感慨深い。その触手によってどれほどの人が救われたか。
そんな最高の先生を、E組は殺さなくてはならない。ここで改めて突きつけられたテーマ。存在が大きくなればなるほどに、その命も重くなる。はたしてE組はどんな決断を下すのだろうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2020年8月26日
- 読了日 : 2020年8月26日
- 本棚登録日 : 2020年8月26日
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