クエーサーと13番目の柱

著者 :
  • 講談社 (2012年7月5日発売)
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感想 : 65
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雑誌記者を辞め、若手投資家に雇われてアイドルの私生活を監視する『タカツキ』だが、周りで『引き寄せの法則』という言葉を耳にするようになってから歯車が狂い始める。


会話以外は状況説明に徹する文章は脚本を読んでいるかのよう。これには慣れるが、思惑があってのことなんだろうけど、登場人物名が全てカタカナ表記なのは読みづらい。
冒頭はかのイギリス王妃だった故ダイアナ妃の事故の描写から始まる。ちなみにあの事故でぶつかったのが13番目の柱。クエーサーとは準恒星状天体(非常に離れた距離に存在し極めて明るく輝いているために、光学望遠鏡では内部構造が見えず、恒星のような点光源に見える天体のこと)だそうだ。これがどう絡んで行くのかと期待していたのだがちょっと興ざめ。引き寄せの法則に関しても同じことが言える。
主人公の朝の様子が何度か出てくるが、まるで同じような光景が描写される。これは繰返しや追体験を印象付けるためなのだろうか。
道中のチームでの監視活動はそれなりに楽しめたが、唐突感のあるラストと全体的に素材のまとまり感が無くしっくりこなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2015
感想投稿日 : 2015年9月2日
読了日 : 2015年9月2日
本棚登録日 : 2015年9月2日

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