午前零時を題材に、十三人の作家がつぐむ短編アンソロジー。
午前零時なんてまだまだ起きている人も沢山いるだろうし、町は煌々と明るい。特別な時間だったのはいつの頃までなのだろう?でも、まだ子どもにとってみたら今日から明日へ、昨日から今日へと切り替わる摩訶不思議な時間なのかもしれない・・・。朱川湊人著の「夜、飛ぶもの」はそんな恐いようなわくわくするような気持ちを書いた話だった。ただ、何かの正体ははっきりさせなくても良かったんじゃないかな、なんて思ってしまう。
短編と言うことで、背景の説明なく進んでしまうものもあったけど、すっと入れるものと物足りないまま終わってしまうものなど、その差は何処に・・・。
印象に残ったのは、老いた母の世話しつつ抱えた焦燥が反転する坂東眞砂子著の「冷たい手」と、自分を捨てた飼い主を待ち続ける老犬の切ない話馳星周著「午前零時のサラ」でした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2012
- 感想投稿日 : 2012年5月29日
- 読了日 : 2012年5月29日
- 本棚登録日 : 2012年5月29日
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