亡くなった叔母の家に越してきたモリー。10年振りに戻った町には昔好きだったベンがいて、彼とはとある因縁があった……あらすじだけを読むと、単なる官能小説家と思ったら、結構サスペンスだった。ヒロインはちょっと隙がありすぎだろうと思うし、ヘタすると死んでるよ! とベンじゃなくてもハラハラする。でも憎めない。それ以上に警察署長であるはずのベンがかわいい。モリーの職業を邪推して悶々する場面は、シットコムの海外ドラマを見てるみたいに映像として浮かんでくる。
コミカルなタッチが楽しく、登場人物の背景が細かく描かれていて、日本じゃ到底考えられないぶっ飛んでいる登場人物にも感情移入できる。
そして時に切ない。ベンがモリーの写真を撮って、置いておくところ、すごくよかった。死刑台のエレベーターのラストシーンみたいな。映像がはっきりと浮かんでくる情景描写がうまいなあと思う。
ただ、いくら官能小説家と言っても、警察署長ともホットシーンだというのにちょっとやり過ぎ感があり、その辺が星ひとつ減。
でもこれもスピンオフのお楽しみが有り、ローリ、ジェーンと話は続く。勿論読みますとも。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2015年4月24日
- 読了日 : 2015年4月22日
- 本棚登録日 : 2015年4月24日
みんなの感想をみる