アルジャジーラ 報道の戦争すべてを敵に回したテレビ局の果てしなき闘い

  • 光文社 (2005年8月24日発売)
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『アルジャジーラ 報道の戦争 すべてを敵に回したテレビ局の果てしなき闘い 』
2005.8.30 ヒュー・マイルズ 河野純治 訳  光文社

1.電波の種、中東に蒔かれる
2.アラブ世界への衝撃
3.反イスラエルの真実
4.9・11はメディア戦争だ
5.アフガニスタンとタリバン
6.アルジャジーラかCNNか
7.「現場にいなけりゃ仕事にならん」
8.イラク戦争、特派員の殉職
9.テロリストに電波を利用させる?
10.アラブ人と言論の自由
11.英語放送は未来を開く

・小国カタールにある小さな放送局・・・カタールは人種のルツボ、中国、インド、アラビア、英語・・各国の文字が並ぶ。
総人口は61万人程、そのうち40万人がパキスタン・インド・エジプトからの移民労働者
親米派の国家・・・国内の米軍基地
ハマド首長と父・ほかのアラブ諸国との対立→カタールの孤立化→「カタールを内外にアピルものはないか」→アルジャジーラ

BBCから来たジャーナリストも多くいる

「ビン・ラディンがアルジャジーラに』声明を送りつけてくるのは・・・一般大衆に信頼されているメディアだからこそ。パウエルやホワイトハウスが大統領とアラブの指導者の会談を知らせてくるのは、アルジャジーラに取材されることを望んでいるからさ」
byアル・ミラジ

「愛国者法」によるメディア統制→アルジャジーラを非難・・・
だけど、この行為自体が、アメリカ自身が誇りとする建国の精神に反する!!

「ニュース価値があると判断した事柄はすべて報道する」という方針→アルカイダの宣伝機関だ!!との非難→CNNが湾岸戦争時フセインの声明を伝えていたはず・・・なのに・・・

米英軍情報よりも先に、確実なアルジャジーラの情報・・・米軍からの攻撃に遭う
米英側のメディアは軍事的側面にのみ焦点を当てて報道、大量破壊兵器はどこか、イラク国民にどのように経済的・人道的被害があったのか、全く報道していない。
米軍のブリーフィングでもアラブ系のメディア人間が呼ばれることはまずない。常にアメリカ人優先
米5大メディアは愛国精神と徹底した戦争支持の報道・反アルジャジーラ・プロパガンダ

ヨルダン人職員アイユーブの殉職・・座標を教えていたのに米軍から爆撃
イラク政府からも様々な攻撃に・・・


メディアが現実政治の代用品になる・・・テレビで論争させてもあまり当局にとっての害はない。テレビが現実の政治に大きな変化をもたらすことはないからだ。
国民は政治参加したつもりになれるし、権力者は地位を脅かされることもない。
エジプトやサウジではアルジャジーラを見て政治意識に人々が目覚めたとしても、彼らが政治に参加できる制度がない。


fox newsのキャスター、ビル・おライリー「アフガン国民は飢えて死ねばいいのです、以上」

アラブの若者は今やインターネットで世界とつながっている。
プロパガンダを見分ける能力もある。パレスチナ、イラクでは倫理的にひどい実態があると考えている

読書状況:積読 公開設定:公開
カテゴリ: メディア
感想投稿日 : 2010年8月8日
本棚登録日 : 2010年8月7日

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