浅田次郎氏は、日本・中国・時代物・現代ものと多肢に渡って多くの作品を執筆されているが、とりわけ1996年発刊の中国清朝時代を舞台とした「蒼穹の昴」は圧巻だった。「つばさよつばさ」はJALの機内誌に掲載されたものをまとめたもので、ご存知の方も多いと思う。浅田氏は中国はいうにあらず、世界を飛び回っておられる。海外では地元のものだけを食す!とのポリシーをもっているのであるが、有名作家ゆえ 頻繁に海外からも招待を受けられる。公式であれば、ポリシーなどとは言ってはおられない。ある時、歓迎会で出された豪華な(はずの)料理がどうにもいただけない。市長が大自慢したジャムがどっかり乗った豚の料理がほぼレア状態で、招かれた日本人一同が一口食べて大困惑。ピンチを救うべく勇敢な日本人が、氏の分まで豚肉を食べた後、長い間トイレから出て来なかった話など、様々な国でのエピソードが可笑しい。祖父母に「不味いものは毒」と教えられ育った氏の食の指南は、そこらのガイドブックよりよほど頼もしい。
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Book Review
- 感想投稿日 : 2023年10月12日
- 読了日 : 2023年10月12日
- 本棚登録日 : 2023年10月12日
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