「バカの壁」に続く養老さんシリーズ。
今回は「自分」というテーマに関し、著者の考え方について書かれている。
前回のシリーズと同じく、1つの結論に対してすべてが書かれている本ではないので色々な話が出てくるが、著者の視点が独特であるため「新たな視点」が得られるという点では面白い本だと思う。
・「自分」は矢印に過ぎない
→今のところ、自分の中ではあまり理解しきれていない。今後の感じ方が変わる日が来るか?
★意識は自分をえこひいきする
→脳によって「自分」、「それ以外」を区別している
<例>
口の中にある唾 と 外に出した唾
体内の便 と 体外の便
生首や切り落とされた腕
・「思想の自由」は日本特有のもの。内と外がという感覚が日本人特有。
→インターネットの70%は日本語(人口比は2%)
・誰かが感情的な批判をするときはどこかに「嘘」が存在している
・自殺の要因は以下3つ
1 本人
2 社会的要因 (いじめ等)
3 意識できない社会的要因(GDP高→自殺率高 貧富の差が拡大するため)
★「世間」は「自分」より先。自分ではどうもできない事が多いと考えた方がラク
→「いじめ」は無くならない。基本的には逃げる方が得策。
・老後は子供の世話になれば良い。
「世話にならない」という姿勢は逆に、自分の親の世話をしないの裏返し。
「共同体」であるという感覚こそが正しい
<所感>
現在の感覚ではイマイチ腑に落ちない
・不信はコストが高く付く
→信じていない場合、すべてを確かめる必要がある
※口約束 → 書類での約束
★昔より「共同体感覚」が薄れている社会になってきている
<例>
特攻隊は「自分」は「自分だけのもの」ではなく、「親、家族、村、国etc」のものという感覚があったからこその行為
・日本 → 全体主義
西洋 → 個人主義
・夏目漱石は海外で個人主義を学んだが、晩年は「私なんかいない」という考え方に達した
自分に入ってくる情報をどこかで制限しないと、仕事は進まない
<例>論文作成等
・「何が問題なのか?」から考える仕事の方が難易度が高い
★他人と関わり、面倒を背負い込める状況を楽しめるなら相当なもの。
迷い、挑戦し失敗を繰り返し、自分で育ててきた感覚を「自信」という
- 感想投稿日 : 2015年8月16日
- 読了日 : 2015年4月6日
- 本棚登録日 : 2015年8月4日
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