以前、NHKの番組でツノゼミの研究者として紹介されていたので、それだけのオタクかと思っていた。
でも、これを読んで、昆虫全般に広く深い知識と採取・飼育の長い経験、そして、自然の多様性維持への強い思いとそのための活動を行っている素晴らしい方であることがわかった。
僕は動物の本をかなり読んでいる方だと思うが、ここに出てきた寄生の話には仰天。寄主の判断力まで占有して自分のための巣を作らせたり、繭を守らせたり、そして、最後にその寄主の体液を全部吸い取って殺してしまう。もし、人が同じことをやったら凶悪罪人にあたるようなことをやって種を維持している昆虫がいるとは。
また、本人のお腹の皮で寄生ハエの幼虫を半年寄生させていた話にも仰天!
自分の採取・飼育・調査・発表などの活動の様を具体的に説明しているので、著者の生活=研究の実態がわかって興味深い。
ここ数年読んだ動物関係書でベスト!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
動植物・図鑑
- 感想投稿日 : 2014年9月18日
- 読了日 : 2014年9月17日
- 本棚登録日 : 2014年9月18日
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