4.5。橋本さんは初めて読みました。あまり男性っぽくないかな。特に最初の主婦たちのシーン、ねちねちした感じとか、女性作家的な心理描写かなと思いました。この主婦たちの動きが引き続きありそうでないのがちょっとひっかかったのですが、全体としては非常に興味深く面白かったです。住宅街にあるごみ屋敷の話です。最近テレビでよくやってますよね。困った人、迷惑な家、どうしたらいいのかわからない変人、といった感じでとらえられているようだし、自分もそういうふうに思ってきましたが、数ヶ月前にNHKのドキュメンタリーでごみ屋敷に住む人々を追っていて、彼らに共通しているのが「恐ろしく大きな喪失感」でした。大切な何か(多くは家族)を亡くしてからだんだんとそうなっていく。この本にもそういう背景が描かれています。ただドドーンと大きなことがあっていきなりそうなるのではなく、だんだんといつの日かそうなってしまう。本人もどこかおかしいのはわかっているけど、、、というあたり、非常に苦しい思いで読みました。昭和という時代の流れとともに描かれており、そのあたりも好きな感じでした。よいと思います。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2010年2月3日
- 読了日 : 2010年2月3日
- 本棚登録日 : 2010年2月3日
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