リーディング3.0 ―少ない労力で大きな成果をあげるクラウド時代の読書術

著者 :
  • 東洋経済新報社 (2011年4月22日発売)
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本棚登録 : 1599
感想 : 299
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実はスマホiPhone4を買って以降、かなりの時間をこのオモチャに使っている。この前行った韓国への旅にしても、このオモチャの使い方で色々と喜怒哀楽があったのである(洗濯機に落として一度たくさんのデータを飛ばしてしまったり)。

確かにiPhoneは携帯とは違う。ほとんどミニコンピューターである。しかもポケットに入る。例えば、ツイッターやブログ、Facebookの閲覧や書き込みは非常に易しくなったので、70%はこちらで閲覧しているほどである。「アプリ」という85円とか170円とか、無料とかで手に入れるこのできるiPhone専用ソフトがあって、豊富で、あっという間に40近くのソフトをダウンロードしてしまったこの半年であった。仕事は速くならない。けれども、情報量は非常に上ったと思う。

そんなこんなで、もっと使いやすさを求めて本も読んでいるのであるが、この本によって実は「ever note」という存在を知った。「ever noteはめんどくさがり屋の人でも楽に情報を活かせるツールだ」と著者が書いているように、私にある程度ぴったりだと思った。詳しい説明はめんどくさいので割愛(^^;)。検索すればいくらでも詳しい情報は出てくると思う。

で、此処まで持上げておいて落とすところが私らしい書評なのであるが、この本はever noteの使い方ではなくて、所謂「情報整理のハウツー本」である。そういう本に、「知のあり方」を要求するのは無理があると承知で書くのであるが、この記述はいただけない。

3.本のスクリーニングこそ力を入れよ
 「読書はよい習慣だから、なんでもたくさん読めばいい」という論はレバリッジ・リーディングには当てはまりません。
 書籍代はもちろん、なにより貴重な自分の時間を投資するのですから、それにふさわしい「投資アイテム」かどうかを見極める必要があります。本を選ぶとは、株や不動産を吟味するのと同じくらい真剣になすべきことです。
 第一に、自分の目的に合う本を選ぶことが大切です。「人生の目標」「現状の課題」に合致するテーマでなければ、どんなよい本でもためになりません。(略)
 第二に、あまり分厚くてりっぱな本だと挫折してしまう危険があります。最初はすらすらと読めるようなとっつきやすい本を選びましょう。理論が中心になる「教養型」より、実際の自分の仕事にすぐ応用できるノウハウがかかれた「経験型」の本がお勧めです。

ビジネスでプロジェクトを立ち上げる時に情報収集をするだけならば、確かにこのとおりでしょう。だけれども、この本は所謂「情報」一般を扱った本です。彼が進めるever noteの「タグ」の中には、自分の「タグ」も紹介していて、「新刊アイディア」「投資」とかと併行して「ワイン」とか「旅行」とかも入っているのです。しかし、彼は所謂「読書」とは実用とか考えていない。彼の言う「教養」とは、「理論」という理解です。

こういう人は「カラマーゾフの兄妹」などを読むのは「時間の無駄」ということになるでしょう。こういう人は、ソツなく仕事をこなし、与えられた役割はきちんとこなし、将来展望も数年後は立てられるのかもしれません。けれども、あるべき未来を空想することはできないのではないか。戦争になれば、真っ先に隣組の組長になり、戦争が終れば「我々はだまされていた」というような輩のような気がします(←ちょっと言いすぎ)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ら行 ノンフィクション
感想投稿日 : 2012年4月8日
読了日 : 2012年4月8日
本棚登録日 : 2011年12月4日

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