(P[あ]1-9)The MANZAI5 (ポプラ文庫ピュアフル あ 1-9)

  • ポプラ社 (2010年2月19日発売)
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あけましておめでとうございます。除夜の鐘が鳴った途端に、歯痛の激痛に苛まれ、七転八倒のお正月を迎えた私です。健康の大切さを身に染みてわかった今年の一日目でした。

緊急医から応急処置してもらったのに、鎮痛剤がなかなか効かなくて昨晩も七転八倒しました(涙)。

さて、やっと痛みが落ち着いたので、今日の午後映画に繰り出しました。そして、調子が良かったのかさらに軽いこの本を一冊読了したのでありました。


2008年の正月、私はかなり暗い環境でこの明るい青春漫才ストーリーを読んでいた。末期ガンの父親の看病をしながら、毎日付き添いで寝ずの番をしながら読んでいた数冊のうち一冊がこれだったのである(読んだのは一巻目と二巻目)。あの頃はまさかこれが全六冊のシリーズになるとは思っていなかった。でも彼らの話にかなり癒されていた。

中学二年から一年と少し経って、ツッコミの秋本をイヤイヤながらウケながら瀬田歩も、色恋を絡ませながら仲良し7人組が成立する。今回は、中学三年の大みそかから正月にかけてのてんやわんやの一節である。

歩は大みそかのてんやわんやで、なぜか病院に担ぎ込まれる。そこで「不治の病でもう長くない」と元旦の朝にシクシク泣いているおばあさんに出会う。図らずも、今年の正月、そういう気持ちになる入院患者の気持ちはよく分かるのである。歯痛の激痛の中、お気楽な正月番組を聞きながら、明日の治療の展望もないままに、10分が永遠のような時の中では、闘う気力は一晩で無くなるモノです。さそういえば、末期ガン父親も病院が始まるまでの五日間何度も「はよ死なせてくれ」と言っていた。指定の数倍の麻薬パッチを要求して、何もわからない我々兄弟は、貼っても貼っても苦しみが治まらない父親を眺める他なかった。後で病院の医師から「そんなに貼っていつ死んでもおかしくはなかった」と言われた。それ程までに、今の苦しみから逃れるためには何でもしたくなるモノだと、図らずも今年私も体験したのである。昨晩は既定の量を越えて鎮痛剤を飲んだりした。おばあちゃんたちが元旦の朝に泣きたくなるのも当たり前です。

そんな時に、秋本、歩の「ロミジュリ」コンビが即興の漫才パフォーマンスを彼女たちの前で披露することが、どれだけの「力」になるのかも、私はよくわかる。目の前のライブには、それだけの力がある。

少年たちは、きっとそれを肌で感じるだろう。
2014年1月2日読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: さ行 フィクション
感想投稿日 : 2014年1月2日
読了日 : 2014年1月2日
本棚登録日 : 2014年1月2日

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