アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]

監督 : 中村義洋 
出演 : 濱田岳  瑛太  関めぐみ  田村圭生  関暁夫  杉山英一郎 
  • デスペラード
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本棚登録 : 3869
感想 : 761
4

二度見必至の傑作。中村義洋監督の出世作なのに、公開時見逃し、その後レンタルで借りて寝落ちして、その後原作を読んでもう観た気になっていた。

1週間前にfire TVstickがやっと手に入りAmazon primeで初めて最初から観た(2007年作品、岡田将生が少年の様に初々しい)。
原作を正確に(それは原作を隅々まで忠実にという意味ではなくて)、映像化していた。

あゝ大学入学で引っ越したばかりの頃、訳の分からない先輩がいて、社会も丸ごと迫ってきて、世界が広がって見えたなあ、などと思い出した。

原作を読んでいたはずなのに、まるきり騙された。俳優以外には低予算で作られた作品。濱田岳と瑛太と大塚寧々と関めぐみの4人芝居であるけれども、見事に騙された。心地よい騙され方。ずっと「アヒルと鴨とコインロッカー」と勘違いしていた。「アヒルと鴨のコインロッカー」だったのだ。一字違いで大違い。神様と相対するのは覚悟がいる。他人事じゃない。

後で出てくる松田龍平が、のちに瑛太と松田龍平のコンビで復活して、過去を語らないけど、飄々と仕事をこなしていったのは(「まほろ駅前多田便利軒」)、偶然ではなかったということか?大森立嗣監督は、2人を「来世で蘇らせて」「助けたかった」のだ。

コインロッカーの中で鳴り続ける歌が、これはホントにあったことなんだと神話化する。2年後、中村義洋監督は傑作「ゴールデンスランバー」を撮る。

(解説)
隣人の奇妙な計画に巻き込まれた青年が、事の真意を知るまでを描いた青春ミステリー。原作は伊坂幸太郎の同名小説。出演は「シュガー&スパイス 風味絶佳」の濱田岳、「どろろ」の瑛太、「ハチミツとクローバー」の関めぐみ。監督は「ルート225」の中村義洋。2007年5月12日より、宮城県仙台市内先行公開。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: あ行 フィクション
感想投稿日 : 2020年5月29日
読了日 : 2020年5月29日
本棚登録日 : 2020年5月29日

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コメント 6件

naonaonao16gさんのコメント
2020/05/29

こんにちは!
いたもいいねありがとうございます!

この作品、仙台先行ロードショーで、1人、夜行バスで仙台へ旅立ち、映画見てロケ地めぐりをして、帰ってきました( ¨̮ )
本屋だかレンタルビデオ屋は行けなかったんですけど、同じ番号のコインロッカーの写真は、今でも見ると心がじんわりします

kuma0504さんのコメント
2020/05/29

naonaonao16gさん、こんにちは。はじめまして。
ロケ地巡り、羨ましい。私も観ていて、コレは全部仙台ロケなのだろうか?と、思っていました。(最後のエンドロールを見ていると、他の県もありました)

特に、アパートの普通さと、その前の草茫々の公園、そして本屋!これは仙台ロケであって欲しいと思っていました。どうなんでしょう?

お金はかけてないはずだけど、冒頭の入学式の人の多さ。全員動員のはずないし、どうやったんだろ?などとも考えていました。

中村義洋監督の伊坂幸太郎作品はハズレがないので、また作って欲しいと思っています。

naonaonao16gさんのコメント
2020/05/29

kuma0504さん

すみません、きちんとはじめましてのご挨拶もせずに…いつもたくさんいいねをくださるので、すっかりはじめましての気分ではなくなっていました(笑)

先ほど、本棚を漁ったら、当時購入した映画のパンフレットが出てきて、ロケ地のことがすべて記載されてました!

結構忘れてるもんですね…
本屋は「ブックスなにわ」という仙台の本屋さんです。そこの本屋さんが伊坂さんの大ファンで、中でもこの作品が好きとのことで、特別に二日間貸し切ったそうです(笑)

学校は、東北学院大学が撮影に使われたようです。学生のエキストラさんがきちんと指示に従い、騒ぎにならずに撮影がスムーズに行われたようです。実際の入学式で行われた、ということなんでしょうかね…撮影が4月から始まってるので、可能性はありますよね。

この作品、伊坂流の伏線と重めのテーマが含まれた、今の伊坂作品の土台を作った作品だと感じています。
kuma0504さんのレビューを観ていたら、また久々に観たくなっちゃいました☆

kuma0504さんのコメント
2020/05/29

naonaonao16gさん

そうですか。ブックス「なにわ」という店なんだ!あの普通さ加減がよかったですよね。他ロケ地情報ありがとうございました。

伊坂幸太郎作品は、本人はそう言われることは嫌っていると重々承知しているのですが、社会派である所を気に入っています。したくないんだけど、テーマにせざるを得ないんだ、というスタンスが好きです。そのエッセンスが、この初期作品につまっていました。

ロケ地巡りは、大好きで、この間再開したばかりの県立図書館に行くと、岡山県ロケ地特集をしていました。興奮しました。

中村義洋監督の伊坂幸太郎作品をまた観たいです。

去年「アイネクライネナハトムジーク」を観たのですが、
うーむ残念な一作でした。
伊坂の原作は、時が行ったり来たりして、その叙述トリックを見破るのが楽しかったのですご、映画だから登場人物は推測できるから出来なかったのだろうけど、時系列通りに話は進むし、素敵な会話は、中途半端だし、その一方で原作通りに会話だらけの映画になっていました。
1番は、斉藤和義の新作を何回も聞けたのは良かったけど、原作では「さいとうさん」は人物に合わせた斉藤和義の歌詞をプレゼントする設定になっていた。斉藤和義全面協力なんだから、その設定は活かして欲しかった。ホントに残念!

長々とすみません。

naonaonao16gさんのコメント
2020/05/30

kuma0504さん

こんにちは!
わたしはすっかりkuma0504さんをフォローしている気になっておりましたが、フォローしていなかったようで…今更ですが、フォローさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします!!

伊坂作品に対する気持ち、わかります!チルドレンの続編の「サブマリン」や「フーガはユーガ」もかなり社会派で重たく、kuma0504さんがおっしゃる「したくないんだけど、テーマにせざるを得ないんだ、というスタンス」が伝わってきます。とても的を得た表現で素晴らしいです!

ロケ地巡り好きなんですね!仙台は、初期作品の全てが詰まっているので、是非今度行ってみた時に、この作品のみならず、伊坂幸太郎作品のロケ地巡りをしてみてください!

「アイネクライネナハトムジーク」、ご覧になられたんですね!少し残念とのこと、なるほどなという感じです(笑)斉藤和義があまり活かされてないというのは非常に残念です…当時CDを買って、そこについていた「アイネクライネナハトムジーク」を読んだのことを思い出しました。

こちらこと長々とすみません…
是非是非これらもいろいろ語りましょうー◎

kuma0504さんのコメント
2020/05/31

こんにちは。
私もすっかりフォローされていると思っていました。ずっと「いいね」貰っていたので(^_^;)
これからも宜しくお願いします。

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