幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社 (2007年11月8日発売)
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感想 : 274
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オーバーロードと呼ばれる異星人によってもたらされた地球の平和。オーバーロードたちは何が目的なのか…

いろんな人の目線で話が進んでいって、それも丁寧に説明とかされないから、その話の進み方に慣れない最初の頃は戸惑いが大きかった。話も地球人対エイリアンの宇宙戦争的なものもなく、圧倒的な力のオーバーロードたちを受け入れる地球人、そして地球は平和へ…みたいな話の展開で、すごく落ち着いた感じで話が進むので、今までにないタイプの小説だ…と思った。

舞台は平和な地球でユートピアなはずなのに、どうしても居心地の悪い雰囲気をずーっと感じてた。ラストを読んで「やっぱりディストピアじゃん!」と恐ろしくなった。でもあの新人類からしたらディストピアとかなんとかとか関係ないのかな?子どもを諦めなきゃならない親からしたら耐えられないディストピアだけど。

平和ってなんなの?世界の在り方は?とか、自分でも答えに出ない問いを考えさせてくれたいい本だった。

読む時間を意識的に作って一気読みできたので、そこも満足。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月11日
読了日 : 2022年6月11日
本棚登録日 : 2022年6月11日

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