上巻に引き続き惑星ハイぺリオンの<時間の墓標>を目指す七人の巡礼者の身の上話。
今回語られるのは、学者と探偵、そして領事の物語である。
どの話も小説一本分に相当する内容の濃さであると思う。
娘を愛する親のストーリーには涙を禁じ得ないし世界の根幹を揺るがすミステリーには手に汗を握る。
そして世代を経て社会の歪みに立ち向かってゆく姿には心を打たれる。
本当にダン・シモンズという作家は、どんなジャンルでもこなす力量を持っているんだなと驚くばかりである。
これら巡礼者の語る物語によりこのハイぺリオンの世界を理解した読者に待っているのが本格的にドラマが動き出す「ハイぺリオンの没落」である。
是非こちらも読んでいただきたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2015年1月24日
- 読了日 : 2015年1月24日
- 本棚登録日 : 2015年1月24日
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