日本沈没 第二部〔小学館文庫〕 (下) (小学館文庫 こ 11-4)

  • 小学館 (2008年6月6日発売)
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感想 : 34
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第二部はあまり評判が良くないようであったが、私は非常に楽しめた。
ただ、第一部では小野寺と阿部玲子との関係性や、「異変」を前に各個人がどのような思惑で動くかといった個人レベルでの感情の動きがよく見えて面白かったが、第二部では政治的な駆け引きや「異変」後の世界情勢等の描写が多く、それでいてページ量は第一部と同じ程度のため、個人の感情の動きや思惑があまり見えづらかったのが残念だった。特に小野寺が25年の間、どのように生活してきたかの描写が少ないため、阿部玲子と再開した際のp375「無にしてしまうには、この26年間は重すぎる」の重たさが伝わったこなかったのがもう一つ物足りなかったように思う。
ただし、沈没後の日本や日本人の有り様といった議論については面白く読めた。中田首相の愛国心と、鳥飼外務相のコスモポリタニズムの議論も興味深く読めたと思う。
最後の宇宙への移住(?)の落ちももう少し情報量があっても良いように思ったのだが…(あれでは解釈の幅がありすぎて…)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2019年1月6日
読了日 : 2019年1月6日
本棚登録日 : 2019年1月6日

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