並行宇宙(パラ宇宙)では地球上では存在しえない原子構造が存在し、そのパラ宇宙と物質の交換を行うと核の構造が変異し、莫大なエネルギーが発生するという原理を利用した「エレクトリックポンプ」というシステムで人類は無尽蔵のエネルギーを手に入れる、というワンアイデアで書かれた意欲的な作品。しかしそのシステムの功罪の説明が勝ちすぎてストーリーに起伏がなくほとんどワクワクすることはなかった。白眉は第2章のパラ宇宙側の人生命体たちの描写。情景を思い浮かべることがほとんど困難でしかも紙幅が多いこの部分を割と読ませてしまうあたりが凄い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年5月23日
- 読了日 : 2021年5月23日
- 本棚登録日 : 2021年5月23日
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