小禄の藩士の家に生まれた主人公の少年の成長を、城下町の強い日差しや暮色、四季折々の田圃や山川など、詩情豊かな情景の中に描く。友との友情、淡い恋、剣敵との闘い、お家騒動、と淡々とだがテンポよく印象に残る事件が語られていく。そしてラスト、その思い出深い場面の数々が強く襲ってくることを抑えられなかった。つましく清冽に生きた本作の登場人物たちの世界へ憧れるのは、自分の中の日本人としてのDNAのようなもの呼び覚まされるからなんだろう。解説読んで、最後にブックカバーを外して表紙のイラストを見たら、またまたキュンとしてしまったのだった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年6月18日
- 読了日 : 2014年6月18日
- 本棚登録日 : 2014年6月18日
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