隻眼の少女 (文春文庫 ま 32-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年3月8日発売)
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本棚登録 : 2865
感想 : 301
5

びっくりした!
突拍子も無いなと思いつつも、こういうどんでん返し好き。
面白かった。
探偵役が犯人で、娘が事件を解決するって、パッと聞いたらどーゆーこと!?ってなりそうだけど。
まんまと騙されました。
オススメ本なだけあるわーって思った。
多少強引な感じはあるけど、母みかげの演技力ハンパないだろー。
自分の父親を殺す方が目的で、三姉妹がついでだなんて気が狂ってるし、娘みかげの父親を殺すためにまた三姉妹を殺そうとするなんて、しかもその残虐な事件が娘みかげを試すための試験にされるとか、若い母みかげの責任に耐えながら事件を気丈に解決しようとする様に感情移入してたから、すごく裏切られた感じがして悔しい。
父親はいらない、でも御陵みかげは継承したいから遺伝子は欲しい。
から一夜を共にする、演技をして、酷いな。
しかも静馬はもうすぐ自殺するから都合がいい、それだけの理由でできるもんなの?
そして最後まで余裕を残して、自殺されてしまって、これじゃあ勝ち逃げじゃないか。
でも母として娘に受け継いでいったものもあったから、ただ悪いというわけでもないし。
いろいろ考えてしまったなぁ。
でもある意味とてもフェアな作品だとも言えるわけで。
探偵役は犯人から自然と排除されて話が進んでいく作品がたくさんある中で、探偵も同じ立場だってことを示していて。
実際にその場に居合わせたら、推理してるあなただって十分犯人の可能性があるじゃないかと思って普通だし。
だからなんかスッキリもした。
こういうのは今まで読んだことなかったから、オススメに乗って正解だったかな。
三代目みかげの話もっと読んでみたいな。
絆が断ち切られて、また別の絆が生まれたところに普通に読み物としての面白さもあると思う。
スガルの伝説に縛られ三姉妹を喪った琴折家と御陵みかげとしての宿命に縛られてしまった母みかげ、反映しているとはよく言ったものだね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年9月19日
読了日 : 2014年9月19日
本棚登録日 : 2014年8月30日

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