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迷教師漫画『VIVO!』の作者・瀬川藤子先生と、幻想短編の奇手である有永イネ先生が、満を持して初登場
このITAN、ケチのつけようがないほどの実力者が集まったコミック誌である
その為か、お二人の作品が、他作品よりズバ抜けて面白く感じた
やはり、一級の才能は一級の才能の中にあってこそ、その光を強めるのかも知れない
瀬川先生の『きずのあと』、有永先生の『神、死にたもうなかれ』
どちらの作品も秀逸で、独自の心理描写のセンスがギラリと光っている
だからこそ、あえて優劣を決めるとしたら、私は瀬川先生に一票を投じよう
もう一度、繰り返すが、どちらも面白い。瀬川先生を推すのは、あくまで私の好みだ
事実、『神、死にたもうなかれ』の序盤で出る、満面の笑みを浮かべる母親の「そういうときはね、殺す、と言いなさい」には思わず、噴き出してページを汚しかけたほどだ
画も、話が進むテンポも、ラストも悪くない
だけど、やっぱり、それでも、私には『きずのあと』の方が、三倍増しで面白く感じられた
理由を考えて見たところ、やはり、瀬川先生の、人間の心に“癒えない”傷が刻まれる際の繊細かつ大胆な表現、ここに惹かれた
性格はちょっと捻くれ気味なんだけど、目の前で傷ついているのに、それを堪えている似た者同士を放っておけず、声を荒げてしまうたまきの『真っ直ぐな優しさ』が心に沁みる
次号から、まさかの、瀬川先生の新連載スタート
某大型書店に注文した所、在庫が無い、と言われてしまった。どうにかして、2・7に出ている筈の最新号を入手してみせるぞっっ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(講談社)
感想投稿日 : 2013年3月18日
読了日 : 2013年3月18日
本棚登録日 : 2013年3月18日

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