ギガントマキア (ジェッツコミックス)

著者 :
  • 白泉社 (2014年7月29日発売)
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本棚登録 : 529
感想 : 47
5

レトロなメカメカしさが満載の『レイチェル・ダイアル』(皿池篤志)とは、真逆とも言えるほど毛色の違う作品ではあるが、この作品もまた、少年の心を捨てきれずに育った男の漫画読みを熱くしてくれるコト間違いなし
だって、ファンタジー世界で、主人公が巨大化して、バトルの極め技がプロレス技ですよ!?
世の八割の男性が興奮するでしょ!!
主人公の泥労守(デロス)が、女性の読み手に受けの良さそうな、線は細いけど実は強い爽やか系の青年などでなく、ともかく武骨で筋骨隆々、気持ちが良いくらいに性根が不器用で真っ直ぐなのだ。好感を持つな、と言うのが無理だろう。正味、私の好みでないのだけど、彼なら「兄貴」と慕ってもイイ
そんな彼の同行者である、謎の力を持つ美少女・風炉芽さん、彼女が能力も性格も不思議系で、ストーリーを刺激的にしてくれるイイ味を出しているのだ
私が最も、この作品に震えた理由は、やはり、肉弾戦のリアルさ、そして、作中に登場する技の漢字表記である!!
帯のコメントを読んで、ほとんどの漫画読みが、「三浦先生、根っからの漫画家だなぁ」と嬉しくなったに違いない
迫力ある巨人戦争のシーン、ここが特に、この『ギガントマキア』の読み所であろうが、私としては闘技場での泥労守vs雄軍を推したい。男は姿形、人種こそ違えど、拳を交える事でお互いの強さ、信念を感じ取れる、その真理を荒々しく、堂々と描ける漫画家は数少ない
類を見ない長編連載である『ベルセルク』も質の良い作品である、そう思う一方で、この『ギガントマキア』の続きを描いてください、三浦先生、と懇願っているのは私だけじゃないはずだ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(白泉社)
感想投稿日 : 2014年12月15日
読了日 : 2014年12月15日
本棚登録日 : 2014年7月29日

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