大日本人 通常盤 [DVD]

監督 : 松本人志 
出演 : 神木隆之介  UA  板尾創路  松本人志  竹内力 
  • よしもとミュージックエンタテインメント
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感想 : 112
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映画「大日本人」は松本人志監督の処女作だ。幼馴染であり放送作家の高須光聖と共同で脚本を執筆した。

松本人志は「大日本人」6代目である大佐藤を演じる。大日本人は日本に存在する”獣”を撃退するために存在している。6代目の大佐藤は国民から冷ややかな目で見られている。昔の4代目や5代目は日本をたびたび救った英雄として祭り上げられていたが、6代目は邪魔者扱いされている。大日本人が海外から来た”獣”にコテンパンにやっつけられるとき、皮肉なことに視聴率が最高潮に達する有様だ。日本国民は彼のことを自国を救う英雄とは見ておらず、逆に変態やおっさんと彼を貶めている。大佐藤の家には落書きや悪戯がたくさんされていて、日本国を救っているヒーローのような生活を全くしていない。近所の子供たちには嫌われ、自分のマネージャーにも頼りない目で見られている。だが大日本人は逆風の中、日本国を救っていく。いくら国民や周りの人たちが冷たく接しようと、自国を守り続ける。

大日本人―大佐藤―は失われた大和魂だ。欧米化した日本人の中で彼だけが、唯一太古の日本人の心を保っている。大日本人の伝統を守り続け、近所の人たちやマネージャーが幾ら冷たく接しても、彼は大日本人の心を保っていく。松本人志は大日本人を通して現在の欧米化した日本人を痛烈に批判している。映画に登場する大衆は大和魂を失った、もはや真の日本人ではないのだ。大日本人を嘲笑い批判して伝統に唾を吐くのだ。

海外での日本人の活動も最後の実写場面で批判している。大日本人はスーパージャスティス家族の一員でないが一緒にレーザーを放とうと誘われる。大日本人は逆らえなく手を置くが、全く意味がない。つまりアメリカに対して現代の日本人は何一つできない、と批判している。現代の日本が生きていくには、大和魂を持つ大日本人を助ける日本国民が必要だ。大日本人は今のままでは海外からの”獣”に一切対抗できないだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画
感想投稿日 : 2009年12月5日
読了日 : 2009年12月5日
本棚登録日 : 2009年12月5日

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