別に、動物たちが、男の子と普通に会話が成立して、一緒に遊ぶというお話は、外国のお伽話やファンタジーもののような、小さなお子さん向けの、夢に溢れた物語として、ごくありふれたもののように思うのだけど、何か気になってしまうものを感じる。
まず、ラッパを吹く少年の後を、次から次へとついてくる動物たちを見て、「ハーメルンの笛吹き男」を想像させられたが、ここは、動物たち自身が志願してついてきているから、それとは違うと思うけれど、他の事を後回しにしてでも(ライオンは、髪を梳かすことを、自らの条件であるかのように提示しているし、カンガルーは、聞かれてもいないのに、赤ん坊が同行の邪魔にならない事をアピールしている)、男の子についていきたいと思う、その熱意の強さが気になる。
そして、その後の、曰くありげな三つの遊びと、その途中に突然訪れた、エンディングの内容。
それは、ネバーランドのような、子どもだけが許される世界での出来事だからなのかもしれない。
でも、立ち去る音や別れの言葉くらい聞こえそうな気はするけれど・・・白黒のみの絵柄は、初めて、お子さんに読み聞かせする入り口として、最適らしいけれど、大人の私からしたら、最後の森の絵は、男の子の台詞の浮いた感じもあって、妙に侘しくて、少し怖かった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外絵本
- 感想投稿日 : 2022年8月13日
- 読了日 : 2022年8月13日
- 本棚登録日 : 2022年8月13日
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