いっぽ、にほ…

  • 童話館出版 (2009年8月1日発売)
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本棚登録 : 173
感想 : 14
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実家に帰省している時にまで、何してるんだろう・・・とは、全く思わず、気付いたら起ち上げている。ブクログが好きなんですよね。

そんなわけで、2023年になりました。
今年もどうぞ、よろしくお願いいたします(^^)


本日、心くんときんにくんのCMでお馴染みの、あのセールに行ってきたのですが、たまに行くと、こうして本書のような、思いもよらぬ素敵な本を見つけたり出来るのだから、たくさん歩いた甲斐もあったというもの。そして嬉しさのあまり、早速読み出してしまう私がいるのでした。

「いっぽ、にほ…(ONE STEP, TWO…)」は、シャーロット・ゾロトウの1955年の作品(renewed 1980年)で、「ロジャー・デュボアザン」の表紙の絵を見ても分かるように、レトロな雰囲気でありながら、物語の内容は、いつの時代でも共感することができる、思わず抱きしめたくなるような愛しさを感じさせられて、特に子育てに悩んでいる方には、おすすめの絵本だと思います。

というのも、ゾロトウの作品には、片方だけではなく、お互いにとって、得るものがある喜びを教えてくれる素晴らしさがありまして、「ねえさんといもうと」もそうでしたが、その目の付け所の良さに惹かれるものを私は感じ、それが本書の場合は、お母さんにとっての喜びもあるということです。

物語の小さな女の子は、散歩自体が新鮮なため、とても好奇心いっぱいで、それをお母さんも知っているので、家の玄関の階段を下りていくだけでも、「一ぽ、二ほ……」と、その女の子に合わせたペースで歩き始めるのですが、その描写を見ていると、お母さんにとっては、娘さんの一歩一歩が、とても愛おしいんだろうなと思えてきて、私まで胸が温かくなります。

そして、女の子はちょっと歩いては、すぐに興味のあるものを見つけて、「ほら、みて!」、「あれはなに?」と、その可愛らしいリアクションにより、度々立ち止まるのですが、お母さんはイライラしたりせず、それにちゃんと付き合います。

その中でも、私の好きな場面がありまして、


一ぽ、二ほ、三ぽ、四ほ、五ほ、六ぽ、七ほ、八ぽ、九ほ、十ぽ、十一ぽ……。
とつぜん、空にとびたつ とりのむれのように、
きょうかいの かねの音が、なりひびきます。
ちいさな、おんなの子は、おかあさんに 手をのばし、きょうかいの かねの音がなりやむまで、
じっと たたずんで 耳をすませていました。


この、「おかあさんに 手をのばし」のところに、私は、女の子の心の内の温かさとともに、何とも言えない切なさを感じるというか、母と子のかけがえのない繋がりを目の当たりにしたようで、胸がいっぱいになるんですよね。

それから、最後の場面の、女の子の台詞の愛おしさに、何かを感じたのでしょう、お母さんは、女の子に感謝の気持ちを、とても丁寧に伝えるのですが、この場面がまた、優しい絵とともに、私の心を動かされるものがあって、散歩は女の子が喜ぶためだけにやっているわけではないんだ、ということに気付かせてくれて、こうした気持ちで、日々お子さんと接していくことができれば、お母さんの人生も更に彩り豊かになるのかな、なんて思えた、大人にとっても、癒しになる絵本です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外絵本
感想投稿日 : 2023年1月3日
読了日 : 2023年1月3日
本棚登録日 : 2023年1月3日

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コメント 2件

5552さんのコメント
2023/01/03

たださん、あけましておめでとうございます!

私も、お正月からブクログに来てしまいました。
ここ数年ほぼほぼ毎日来ています。
これじゃいかん、と、セーブするくらい 笑
何だか訪れれば見知った顔のいる馴染みのお店みたいなかんじです。
たださんも結構常連さんですよね。
今年もどうぞよろしくお願いします。

たださんのコメント
2023/01/03

5552さん、あけましておめでとうございます!

『見知った顔のいる馴染みのお店』、まさにぴったりな表現、さすがです(^_^)
ここだけは、正月でもいるんだよねみたいな、安心感や居心地の良さ、よく分かりますよ。

私も今日は、ウルトラセール以外、ずっと実家にいるので、一人暮らしの時以上に訪れてまして、何回タイムラインチェックするんだって、感じです(笑)
でも楽しくて、おそらく、ブクログ始めて以来の頻度ですが、私も、時にはセーブしつつ、体も気遣っていこうと思います。

他のコメントの時でしたが、少し気になりまして、目の方、御慈愛下さい。私も正直、他人事とは思えませんので。

今年もどうぞよろしくお願いいたします(^^)

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