実家に帰省している時にまで、何してるんだろう・・・とは、全く思わず、気付いたら起ち上げている。ブクログが好きなんですよね。
そんなわけで、2023年になりました。
今年もどうぞ、よろしくお願いいたします(^^)
本日、心くんときんにくんのCMでお馴染みの、あのセールに行ってきたのですが、たまに行くと、こうして本書のような、思いもよらぬ素敵な本を見つけたり出来るのだから、たくさん歩いた甲斐もあったというもの。そして嬉しさのあまり、早速読み出してしまう私がいるのでした。
「いっぽ、にほ…(ONE STEP, TWO…)」は、シャーロット・ゾロトウの1955年の作品(renewed 1980年)で、「ロジャー・デュボアザン」の表紙の絵を見ても分かるように、レトロな雰囲気でありながら、物語の内容は、いつの時代でも共感することができる、思わず抱きしめたくなるような愛しさを感じさせられて、特に子育てに悩んでいる方には、おすすめの絵本だと思います。
というのも、ゾロトウの作品には、片方だけではなく、お互いにとって、得るものがある喜びを教えてくれる素晴らしさがありまして、「ねえさんといもうと」もそうでしたが、その目の付け所の良さに惹かれるものを私は感じ、それが本書の場合は、お母さんにとっての喜びもあるということです。
物語の小さな女の子は、散歩自体が新鮮なため、とても好奇心いっぱいで、それをお母さんも知っているので、家の玄関の階段を下りていくだけでも、「一ぽ、二ほ……」と、その女の子に合わせたペースで歩き始めるのですが、その描写を見ていると、お母さんにとっては、娘さんの一歩一歩が、とても愛おしいんだろうなと思えてきて、私まで胸が温かくなります。
そして、女の子はちょっと歩いては、すぐに興味のあるものを見つけて、「ほら、みて!」、「あれはなに?」と、その可愛らしいリアクションにより、度々立ち止まるのですが、お母さんはイライラしたりせず、それにちゃんと付き合います。
その中でも、私の好きな場面がありまして、
一ぽ、二ほ、三ぽ、四ほ、五ほ、六ぽ、七ほ、八ぽ、九ほ、十ぽ、十一ぽ……。
とつぜん、空にとびたつ とりのむれのように、
きょうかいの かねの音が、なりひびきます。
ちいさな、おんなの子は、おかあさんに 手をのばし、きょうかいの かねの音がなりやむまで、
じっと たたずんで 耳をすませていました。
この、「おかあさんに 手をのばし」のところに、私は、女の子の心の内の温かさとともに、何とも言えない切なさを感じるというか、母と子のかけがえのない繋がりを目の当たりにしたようで、胸がいっぱいになるんですよね。
それから、最後の場面の、女の子の台詞の愛おしさに、何かを感じたのでしょう、お母さんは、女の子に感謝の気持ちを、とても丁寧に伝えるのですが、この場面がまた、優しい絵とともに、私の心を動かされるものがあって、散歩は女の子が喜ぶためだけにやっているわけではないんだ、ということに気付かせてくれて、こうした気持ちで、日々お子さんと接していくことができれば、お母さんの人生も更に彩り豊かになるのかな、なんて思えた、大人にとっても、癒しになる絵本です。
- 感想投稿日 : 2023年1月3日
- 読了日 : 2023年1月3日
- 本棚登録日 : 2023年1月3日
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